ウィッグは白髪を隠す道具なのか

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ウィッグは、少し前まではかつらと呼ばれていました。かつらと聞くと、人はすぐに何かいけないものを隠すという印象を持ち、あまり良いイメージではありませんでした。たとえば、髪が薄くなってきた人が頭にかぶるもの、というイメージです。確かに薄毛は男性に多く、コマーシャルなどでもしきりに男性用のかつらが宣伝されています。また、近年では女性でも薄毛を気にする人が増えており、かつらを着用する人が増えています。それと同時に、白髪の人もかつらで隠すことが多くなっています。しかし、このかつらという日本古来の言葉を、ウィッグという言葉に置き換えてみたらどうでしょう。言葉からくる印象が途端におしゃれなものに変化するではないでしょうか。ウィッグはかつらではなく、おしゃれを楽しむアイテムのひとつなのです。かつらの持つマイナスイメージは捨てて、ウィッグの持つおしゃれイメージを楽しむべきなのです。つまり、ウィッグは薄毛や白髪を隠す道具ではなく、積極的に自分のヘアスタイルを変えることのできるおしゃれアイテムと捉えるべきでしょう。

ウィッグの起源

ウィッグの始まりは、今から約38000年前だといわれています。そして6000年前頃には古代メソポタミアの女王が、花飾りのあるかつらをつけたとされます。また、古代ローマでは皇帝が薄毛を隠すためや変装用にかつらを使用するようになります。実はシーザーが月桂冠を頭に載せているのもある種のかつらであり、一説では薄毛を隠すためだった考えられています。
さて、このようにして使用され始めたかつらは、その後流行し、イギリスでは宮廷でかつらを使用するようになります。また、13世紀にはウィッグ師という職業もでき、15世紀のルネサンス最盛期には、女性が自毛を金髪に染めたり、金髪のかつらが流行したりと、かつらでおしゃれを楽しむようになったのです。

日本でのウィッグの使用

日本で最初にかつらが出てくるのはイザナギノミコトという神話時代の話ですが、実際には7世紀頃の万葉の時代に、天皇や貴族たちが髪に菖蒲を挿して髪飾りにしたことが歌に詠まれています。この菖蒲かつらがかつらの最初だといわれています。また、このような装飾とは別に髪を多く見せようとして、若草を添え毛にしたという歌も残っていますので、古代から薄毛の悩みはあったのです。しかし、奈良時代には、大宝律令で女性は朝廷に出仕する際にはつけ髪をするようにと定められています。以降、かつらはかもじと呼ばれて、女性の間で楽しまれるようになりました。
以上のようにかつらは、西洋東洋を問わずに最初は薄毛を隠す意味で使われ始めましたが、しばらくすると、そのような消極的な意味ではなく、おしゃれとして使用するようになっていきます。ですから、かつらは薄毛や白髪を隠すために用いるのではなく、様々なヘアスタイルを楽しむために使用するものだという認識を持っておくべきです。